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洋名:アゲート(agate)
和名:瑪瑙(めのう)
組成:SiO2
結晶系:六方晶系
硬度:7.0(石英)
比重:2.65(石英)
屈折率:1.54(石英)
性質:石英の微結晶である玉髄が層状になり縞模様になったもの。
産地:ブラジル


サイズ:48×29×16 (mm)

 瑪瑙(メノウ)は、石英の微結晶の集合体(玉髄;カルセドニー)のうち、上の写真のように縞模様になったものをいいます。この石では白い部分と緑の部分がはっきりとしていて、鮮やかな緑色を楽しむことができます。また、縞だけではなく苔のような樹枝状の模様も見て取れます。このような模様のものを縞瑪瑙と区別して苔瑪瑙(苔瑪瑙;モスアゲート)と呼びます。
 メノウは日本で取れる数少ない鉱物のひとつで、古来よりその美しさから置物や宝飾品として重宝されてきました。

洋名:アメシスト(amethyst)
和名:紫水晶(むらさきすいしょう)
組成:SiO
2(鉄を含む)
結晶系:六方晶系
硬度:7.0
比重:2.65
産地:ブラジル


サイズ:49×34×25 (mm)

 2月の誕生石としても有名なアメシスト。和名の「紫水晶」からも分かるように、水晶のSi(ケイ素)が鉄に置き換わったもので、紫色をしています。その鉄の含有量で淡いピンクから深い紫まで様々な色を見せます。
 アメシストという名前の由来は、ギリシャ神話に登場する月の女神ダイアナに使える女官アメシストの名から。

 酒神バッカスは怒りのあまり、「最初に出会った人間をピューマ(猫科の猛獣。バッカスの家来)に襲わせる」と考えていた。そこ少女アメシストが通りかかりピューマに襲われる。万事休すという瞬間、月の女神ダイアナは彼女を守るため純白の輝く水晶に変身させた。バッカスは水晶になったアメシストのあまりの美しさに呆然とし、自分の罪の深さを懺悔し、その水晶にぶどう酒を注いだ。するとそれは透き通った紫水晶に生まれ変わった。

 また、ヨーロッパではアメシストで作ったグラスでお酒を飲むと悪酔いをしないという言伝えが有ります。アメシストのグラス、美しそうですね。


洋名:アポフィライト(apophyllite)
和名:魚眼石(ぎょがんせき)
組成:KCa4(Si4O10)2F・8H2O
結晶系:正方晶系
硬度:4.5 〜 5.0
比重:2.3 〜 2.4
屈折率:1.54
産地:プーナ, インド


サイズ:43×30×25 (mm)

 沸石(束沸石輝沸石など)やカバンサイトの産地として名高いインドのプーナ産のアポフィライトです。アポフィライトは加熱すると葉っぱのようにぺりぺりと剥がれます。このことから、ギリシャ語のapo(〜から離れて)とphyllon(葉)で「アポフィライト」と名づけられました。一方、ぜんぜん異なる和名の魚眼石は、結晶を立てて除くと白っぽい光が見えるためであるといわれており、欧米では「Fish eye stone(魚の目の石)」というニックネームで呼ばれています。
 この石はカルセドニーを芯に、その周りに不透明で小さな水晶と透明な大きいアポフィライトの結晶が共成しています。


洋名:アラゴナイト(aragonite)
和名:霰石(あられいし)
組成:CaCO
3
結晶系:斜方晶系
硬度:3.5 〜 4.5
比重:2.95 〜 3.00
屈折率:1.53 〜 1.69
産地:モロッコ


サイズ:70×48×34 (mm)

 カルサイト(方解石)と同じく、炭酸カルシウムの結晶であるアラゴナイトです。このように組成が一緒で構造が異なる物を同質異像といいます。
 アラゴナイトはスペインのアラゴン地方で発見されたことに因んで名づけられました。和名の霰石は始めに見つかった物があられのような小さな粒の結晶で見つかったことに因んで名づけられましたが、後に最初に見つかった物は方解石であったことが分かり、現在ではアラゴナイトに霰石という名前のみが残っています。
 アラゴナイトは上の写真の物の様に柱状の結晶が放射状に成長した物から、珊瑚状のもの、豆状のものと様々な形態が知られています。この石は茶色からブラッドオレンジのような色をしており、透明感のある結晶も見受けられます。


洋名:アズライト(azurite)
和名:藍銅鉱(らんどうこう)
組成:Cu3(CO3)2(OH)2
結晶系:単斜晶系
硬度:3.5 〜 4.0
比重:3.77
屈折率:1.76
産地
:Level 5.1, Tsumeb, ナミビア


サイズ:38×32×22(mm)

 アズライトは銅の鉱床に産出します。鮮やかな紺青色を呈しており、古くから顔料として絵画や建築物、装飾品などに用いられてきました。藍銅鉱は孔雀石{Cu2(OH)2(CO3)}と共存することが多い鉱物で、藍銅鉱が水を吸うことでゆっくりと孔雀石へ変化していきます。
 深い群青に惹かれて思わず買ってしまいました。見る面によって淡い青から深い群青まで様々な色を見せ、見ているだけで飽きない石です。


洋名:バーライト(barite)
和名:重晶石(じゅうしょうせき)
組成:BaSO4
結晶系:斜方晶系
硬度:3.0 〜 3.5
比重:4.5
屈折率:1.64
産地:Emilio, Asturias, スペイン


サイズ:38×28×23 (mm)

 重晶石は硫酸バリウムの結晶です。レントゲン撮影時に飲む造影剤として有名です。重晶石は、17世紀初頭にイタリア・ボローニャの錬金術師カッシャローロにより発見されました。カッシャローロは、重晶石を炭と一緒に加熱することによって、暗闇で赤く光る硫化バリウム燐光体を合成しています。その後、1808年にイギリスの化学者デービーが電気分解によって新元素バリウムを単離しました。バリウムを含む鉱物が重い(例えば、重晶石の比重は約 4.5 )ことから、元素名はギリシャ語の barys (重い)に因んで名づけられています。
 重晶石は、板状・葉状の結晶形態をとることが多く、石膏とともに砂漠のバラを形作る鉱物として知られています。


洋名:ベリル(beryl)
和名:緑柱石(りょくちゅうせき)
宝石名:アクアマリン(aquamarine
組成:Be3Al2Si6O18(鉄を含む)
結晶系:六方晶系
硬度:7.5 〜 8.0
比重:2.65 〜 2.80
屈折率:1.57 〜 1.61
産地:パキスタン


サイズ(上):41×5×4 (mm)  サイズ(下):44×4×3 (mm)

 3月の誕生石としても有名なアクアマリン。緑色のエメラルド、透明なゴシェナイトなど緑柱石の仲間であるアクアマリンは、鉄の発色により青色をしています。名前の由来はまさに海のような青色から。
 アクアマリンは六方晶らしい綺麗な六角柱の結晶を生成します。エメラルドなどに比べクラック・インクルージョンの少ない大きな結晶が多く採れることから比較的安価であり、その美しさから多くの人に宝石として愛されています。写真の石も透明感が高く、綺麗な六角柱が幾つか集まっていることが良く分かります。色は淡い水色〜透明で、ゴシェナイトに近いかもしれません。

 このアクアマリンは大地の華のヴァンさんから大地の華2万ヒット記念プレゼントで頂きました。ありがとうございました。


洋名:べリル(beryl)
和名:緑柱石(りょくちゅうせき)
宝石名:エメラルド(emerald)
組成:Be3Al2Si6O18(クロムを含む)
結晶系:六方晶系
硬度:7.5 〜 8.0
比重:2.65 〜 2.80
屈折率:1.57 〜 1.61
産地:ムソー鉱山, コロンビア


サイズ:9.2×4.7×3.7(mm)

 世界一の名産地とも名高いコロンビアはムソー鉱山のエメラルドです。六角柱の結晶形態もエメラルドらしいグリーン(写真では分かりにくいですが)も鮮やかです。
 エメラルドは緑柱石(べリル)の仲間で、クロムの発色により緑色をしています。その他には、青色のアクアマリン、赤色のレッドベリル、透明なゴシェナイトなど、その不純物によって様々な色をした物が知られています。
 エメラルドは不純物(インクルージョン)を含み易く、また傷(クラック)が無い物も珍しいそうで、その傷を隠すために油に浸して製品にされていたりします。また、インクルージョンのない完璧な物は少ないため、それらが無い物はむしろ贋物・合成物の可能性があるとさえいわれるそうです。


洋名:ブルーカルサイト(blue calcite)
和名:ブルー方解石(ぶるーほうかいせき)
組成:CaCO
3(ストロンチウムを含む)
結晶系:三方晶系
硬度:3.0
比重:2.71
屈折率:1.66
産地:メキシコ


サイズ:32×30×22 (mm)

 メキシコ産のブルーカルサイトです。カルサイトは通常無色透明ですが、様々な不純物を取り込むことで白、オレンジ、緑、青、ピンクなど様々な色を呈します。この写真のような鮮やかな青色はストロンチウムの混入による物です。
 また、この石は斜めにつぶれた直方体をしており、三方晶系のきれいなへき開を見て取ることができます。


洋名:ブルークォーツ(blue quartz)
和名:青水晶(あおすいしょう)
組成:SiO
2(マグネシウムリーベック閃石を含む)
結晶系:六方晶系
硬度:7.0
比重:2.65
屈折率:1.54
産地:Antequera, Malaga, スペイン


サイズ:29×59×37 (mm)〔母岩を含む〕

 マグネシウムリーベック閃石を内包した水晶です。この様に、水晶は様々な不純物(インクルージョン)を含むことで多様な姿や色を見せます。鉄を含んだアメシスト(紫水晶)エピドートを含んだ緑水晶など様々な物があります。
 この石はスペイン産の青水晶で、結晶の形はあまりはっきりはしていませんが、緑がかった独特な色が気に入っています。


洋名:カルサイト(calcite)
和名:方解石(ほうかいせき)
組成:CaCO
3
結晶系:三方晶系
硬度:3.0
比重:2.71
屈折率:1.66
産地:Irai, Rio Grande do Sul, ブラジル


サイズ:65×49×24mm)

 カルサイトは炭酸カルシウムの結晶です。カルシウムの鉱物なのでカルサイトと名がつきました。へき開性の強い鉱物で、上の写真のものも結晶面に沿ってカットされた物です。純粋なカルサイトは無色ですが、そこに様々な元素を含むことで色が様々に変化します。鉄を含んだイエローカルサイトや、マンガンを含んだピンクカルサイトなどがあります。 地殻中では上のような無色透明な単結晶が取れることは珍しく、主に大理石や石灰岩などに含まれています。セメントなどの材料である石灰岩として、日本でも多く産出しています。
 カルサイトの一番の特徴は複屈折を肉眼で確認できること。上の写真でカルサイトの下の文字が二重に見えるのは、ピンボケ写真じゃなくて複屈折によりこのように像が二重に見えるのです。この複屈折がはっきり分かる標本が欲しくて透明で手ごろな大きさのカルサイトを購入しました。 右の写真で、結晶の上部に黄色や青の縞が見えるのは、結晶中のクラック(欠陥・ひび割れ)で光が干渉しているためです。

 このカルサイトには個人的な思い入れが有ります。研究でアメリカ産のヘクトライトという粘土鉱物を扱った際に、不純物として砂状のカルサイトが多く含まれていました。そのままでは使えないので塩酸を加えてカルサイトを溶かす処理(炭酸カルシウムの結晶なので酸に良く溶ける)をしたのですが、その際に発生する二酸化炭素の量が多くて吹きこぼれてしまいました。粘土の構造が壊れないようにカルサイトだけを溶かすのに苦労したことを覚えています。苦労したからこそカルサイトへの愛着は深いです。


洋名:カバンサイト(cavansite)
和名:カバンシ石
組成:Ca(VO)Si
4O10・4H2O
結晶系:斜方晶系
硬度:3.0 〜 4.0
比重:2.33
産地
:Wagholi, Maharashtra, インド


サイズ:10×9×10 (mm)〔母岩を除く〕

 鮮やかな青色をしています。名前の由来は、カルシウム、バナジウム、シリコンの頭文字を繋げたものからきています。主に束沸石(画像の白い結晶)を母岩としており、インドで多く産出されています。 このブルーの色は組成式にもあるバナジウムのため。同じ組成で結晶構造が違うペンタゴナイトよりも濃いブルーをしています。このような組成の鉱物を同質異像と呼びます。ペンタゴナイトが板状の結晶が放射状に成長するのに対し、カバンサイトは球状で産出されることが多いようです。
 母岩の白い結晶は束沸石(スチルバイト)です。スチルバイトの結晶に支えられるようにカバンサイトがあり、お気に入りの石です。



洋名:セレスタイト(celestite)、セレスチン(celestine)
和名:天青石(てんせいせき)
組成:SrSO4
結晶系:斜方晶系
硬度:3.0 〜 3.5
比重:3.95
屈折率:1.62
産地:La Crasta, Sicily, イタリア



サイズ:60×33×29(mm)

 天青石とは文字通り空のように青い石という意味で、英名のセレスタイトも「空の色の石」という意味です。空青色(淡灰青色)のものが多く産出されますが、上の写真のような無色や白色の天青石も存在します。これだとあんまり天青石という感じはしませんが、なかなか透明感のある石です。
 天青石はストロンチウムの硫化物であるため、上の写真に見える黄色い物は硫黄の結晶です。こんな黄色い物がストロンチウムと1:1の割合で入っている結晶が透明になるのが不思議です(原理は分かっていますが)。


和名:白鉛鉱(はくえんこう)
洋名:セルサイト(cerussite)
組成:PbCO
3
結晶系:斜方晶系
硬度:3.0 〜 3.5
比重:6.55
屈折率:2.08
産地:Mibladen, Atlas Mts., モロッコ


サイズ:28×17×16 (mm)

 白鉛鉱は、その名のとおり白色をした鉛の炭酸塩です。比重が6.55と大きいため、小さいものでもずっしりとした重さを感じます。色は無色〜白色〜飴色などがあります。この石は白鉛鉱の中では色が濃いものですが、透明感はあります。
 共晶している白色のものは重晶石、黒色のものは方鉛鉱です。


洋名:カルセドニー(chalcedony)
和名:玉髄(ぎょくずい)
組成:SiO2
結晶系:六方晶系
硬度:7.0(石英)
比重:2.65(石英)
屈折率:1.54(石英)
性質:石英の微結晶の集合体。
産地:プーナ, インド


サイズ:43×30×25 (mm)

 カルセドニーは石英(水晶)の非常に小さな結晶が集まったものです。純粋に石英だけですと白色、乳白色をしていますが、様々な元素を取り込むことで色が変化します。また、不純物が多く、色の濃いものを「碧玉(へきぎょく)」、様々な色の縞模様を有しているものを「瑪瑙(メノウ)」と呼び、カルセドニーと区別しています。
 この石では、真ん中の緑灰色の部分とその周りの白い筋がカルセドニーで、それを芯にするように小さな半透明の水晶と透明な魚眼石が生成しています。
 カルセドニーの語源はよくわかっておらず、カルケドン銅山(ギリシア)で採れた緑色の石のことを呼ぶのに使われ始めたとされていますが、それがなぜ「カルセドニー」であるかはわかっていません。


洋名:クリソベリル(chlysoberyl)
和名:金緑石(きんりょくせき)
宝石名:キャッツアイ(cat's eye)
組成:BeAl2O4
結晶系:斜方晶系
硬度:8.5
比重:3.65 〜 3.8
屈折率:1.75
産地:ミナジュライス州, ブラジル


サイズ:3.9×3.0×1.8(mm)

 写真のように透明感のあり金色〜緑色をしている物が多く、金緑石と名づけられています。英名のクリソベリルも「クリソ=金」+「べリル=緑色の宝石」という名前です。
 クリソベリルにはキャッツアイ効果やアレキサンドライト効果(光によって色が変わる)を持つ物が多く存在します。写真の物も石の真ん中に光の筋を見ることができ、まるで猫の目のようなことからキャッツアイ(猫目石)と呼ばれています。元来キャッツアイは、このような猫目効果を指す言葉でしたが、クリソベリルが一番有名だったことから、クリソベリルのことをキャッツアイと呼ぶようになりました。


洋名:コランダム(corundum)
和名:鋼玉石(こうぎょくせき)
宝石名:ルビー(ruby)
組成:Al2O3(クロムを含む)
結晶系:六方晶系
硬度:9
比重:4.02
屈折率:1.77
産地:タンザニア


サイズ:7.0×5.1×2.7(mm)

 皆が良く知っている宝石といえば、ダイヤ、ルビー、サファイヤと来るでしょう。このうちルビーとサファイヤはコランダムと呼ばれる同じ石です。簡単に言えば、クロムが入って赤〜紫色をしている物をルビーといい、そのほかの色をしている物をサファイヤと呼びます。上の写真は赤紫色をしていることからルビーと呼ばれるコランダムになります。
 ルビーは硬度9とダイヤについで硬い鉱物で、その硬さを利用し研磨剤や、横断歩道の白線などに使われています。
 ところで、最初にあげた主な宝石の3つですが、ダイヤモンドが炭素の結晶、ルビーとサファイヤが酸化アルミニウム(アルミナ)の結晶です。両者ともその物質自体はとてもありふれていますが、特殊な環境下で結晶成長すると、とても美しく、硬く、そして高価な宝石へと生まれ変わります。


洋名:クロコアイト(crocoite)
和名:紅鉛鉱(こうえんこう)
組成:PbCrO4
結晶系:単斜晶系
硬度:2.5 〜 3.0
比重:5.9 〜 6.1
屈折率:2.36
産地:Dundas District, Tasmania, オーストラリア


サイズ:38×25×22 (mm)〔母岩を含む〕

 紅鉛鉱はロシア・ウラル山地のエカテリンブルク市の近く、ベレゾフで18世紀に発見されました。フランスの鉱物化学者 N. L. Vauquelinは、ベレゾフ産の紅鉛鉱の主成分として新しい元素クロム(Cr)を発見しました(1798年)。現在ではオーストラリアのタスマニア島で良質な標本が算出しています。


和名:赤銅鉱(せきどうこう)
洋名:キュプライト、キュープライト(cuprite)
組成:Cu2O
結晶系:等軸晶系
硬度:3.5 〜 4
比重:6.1
屈折率:1.54
産地:城門山鉱山, 九江, 江西省, 中国


サイズ:35×25×15 (mm)

 赤銅鉱は、銅を含む代表的な酸化鉱物です。さらに酸化が進むと黒銅鉱(CuO)になります。英名のキュープライト(cuprite)は、ラテン語のcuprum(銅)に由来します。地表に近い酸化帯で黄銅鉱の風化により自然銅と共に生成します。
 この石は、立方体と正八面体の小さな結晶が多く集まっています。


洋名:ダンビュライト(danburite)
和名:ダンブリ石(だんぶりせき)
宝石名:ジャパニーズ・ダイヤモンド(japanese diamod)
組成:CaB2Si2O8
結晶系:斜方晶系
硬度:7.0
比重:2.97 〜 3.02
屈折率:1.63
産地:メキシコ


サイズ:104×89×100 (mm)

 独特の形をしたダンビュライトでお気に入りの一石。小さな標本を集めている私にとっては10cmはかなり大きな方です。あ、ダンビュライトといっても上の写真で見えているのはほとんどが水晶。ダンビュライトの上に1〜2mm程度の水晶が無数に存在します。


 このように石の破断面を見ると透明〜白色のダンビュライトを見ることが出来ます。この水晶の中にどんなダンビュライトが埋っているかとても気になっているのですが、もったいなくて割る事が出来ません。


サイズ:53×13×12 (mm)〔Caracas, San Luis Potosi, メキシコ〕

 こちらは同じくメキシコ産のダンビュライトですが、剣先もしっかりとしており、先には透明感もあります。

 ダンビュライトは透明で美しい光沢をしているので、キュービックジルコニアなどの人工石作られるまではダイヤモンドのイミテーションに用いられていました。明治時代の日本は九州でよい標本が多く取れたことからジャパニーズ・ダイヤモンドと呼ばれています。今ではさらに優れた物がメキシコで多く取れるようになり、主産地はそちらに移っています。
 名前は最初に発見された米国コネチカット州のDanbury(ダンバリー)に由来します。しかしながら、ダンブリーではダンビュライトはほとんど見つかっていません。ニューヨーク州セントローレンス郡ラッセル産でも同じダンビュライトが多く産出しており、偶々氷河に載って運ばれてきたものではないかという意見もあるそうです。


洋名:エルバイト(elbaite)
和名:リチア電気石(りちあでんきいし)
宝石名:ピンク・トルマリン
組成:Na(Li,Al)
3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
結晶系:六方晶系
硬度:7.0 〜 7.5
比重:3.06
屈折率:1.62 〜 1.64
性質:集電性、圧電性
産地:ブラジル


サイズ:32×32×15 (mm)

 10月の誕生石として有名なトルマリン、これはその中でもリチウム(Li)を多く含むためピンクに染まり染まり、ピンクトルマリンと呼ばれています。エルバイトの色は成分によって異なり、鉄を含む青いインディコライト、マンガンを含む赤いルベライト、銅を含む水色のパライバ・トルマリンなど、様々な種類があります。
 和名の電気石とはその名の通り電気的性質が強いことに由来しています。一つは集電性。これは結晶を加熱すると結晶が帯電する性質です。そしてもう一つが圧電性。これは結晶に圧力をかけると帯電します。

 この写真の鉱物でも純度が高いピンク色の結晶を見ることが出来ます(非常に小さく写真では分かりませんが)。また、六方晶系の結晶構造による結晶面を見ることも出来ます(左の写真の左端)。私の誕生石でもあり、お気に入りの一石です。


洋名:エピドート、エピドット(epidote)
和名:緑簾石(りょくれんせき)
組成:Ca2(Al,Fe)Al2O(SiO4)(Si2O7)(OH)
結晶系:単斜晶系
硬度:6.0 〜 7.0
比重:3.35 〜 3.45
屈折率:1.72 〜 1.78
産地:Pistacita, Ondon de los Frailes, Alicante, スペイン


サイズ(上):71×37×31 (mm)〔母岩を含む〕

 上の写真では、母岩上に苔のように成長した緑色のエピドートを見ることができます。緑簾石、「簾=すだれ」という名前の通り、条線を伴った細長い板状の形をしているものが多く産出します。また、エピドートという名は、同一の結晶構造を持つ仲間の総称として、緑簾石(エピドートEpidote)、褐簾石(アラナイトAllanite)、紅簾石(ピーモンタイトPiemontite)、黝簾石(ゾイサイトZoisite)、灰簾石(クリノゾイサイトClinozoisite)などを指すこともあります。
 この石はエピドートの上に水晶ができており、エピドートを取り込んだため緑色に染まっている。このような内包物を含む水晶を「エピドート・イン・クォーツ」などと呼ぶことがある。代表的な内抱物を含んだ水晶に、星入り水晶などがある。


洋名:フローライト(fluorite)
和名:蛍石(ほたるいし)
組成:CaF
2(鉄を含む)
結晶系:等軸晶系
硬度:4.0
比重:3.18
屈折率:1.43
産地:Rock Hardein Co, Illinois, アメリカ


サイズ:【左】25×25×25 (mm), 【右】23×23×23 (mm)

 蛍石はフッ化カルシウムの結晶で、写真のように三角形が8枚組み合ったような八面体の形でよく見られます。これは蛍石のへき開性が高いためで、上の2つの蛍石もへき開面にそって割られた物です。蛍石には白、黄、緑、紅、紫、褐色など様々なものがあります。
フローライト(Fluorite)という英名はラテン語のfluere(流れるの意)に由来していて、蛍石を加えると鉄などの金属が溶けやすいことからきています。実際に綺麗な鉱物ですが、硬度が低いためアクセサリーなどに使われることは少なく、工業的に製鉄、製鋼、アルミニウム精錬などに用いられることが多い鉱物です。
 また、蛍石は真空紫外から赤外領域までのきわめてすぐれた透過性と波長による適当な屈折率変化をもち耐水性、耐薬品性、耐熱性など、化学的、物理的に安定な結晶として、紫外から赤外までの広範囲な領域でのプリズム、レンズ、ウインドウとして用いられます。特異な光分散をもっているので他の光学材料との組合せにより色消レンズ(アポクロマート)として用いられます。このほか、適当な稀土類元素をドープすることによりレーザー用結晶や、放射線検出結晶として用いられます。


和名:金鉱石(きんこうせき)
洋名:ゴールド(gold ore)
組成:Au(金)を含む岩石
産地:ビルマ


サイズ:63×24×18 (mm)

 自然金と異なり、これは純粋な金ではなく「金を含む石」です。過去・現在を通してほとんどの金は、このような金鉱石か砂金として採取されています。この石の金色に見える部分は金ではなく黄鉄鉱です。金はこの石の黒い部分に集まっています。金は銀と共存しながら(銀のほうが多い)黒っぽい色を見せています(これを銀黒という)。この石の0.01wt%程度の金が含まれていると考えられます。
 ビルマに買い付けに行っている業者から購入しましたが、本当にこの中に金が入っているかを自分で確かめるのが難しいのが残念です(銀は部分的に見ることができます)。自分でこの中から金を取り出すのもたいへんですし、取り出せたとして目で見える大きさになるかは、かなり疑問です。


洋名:ジプサム(gypsum)、セレナイト(selenite)
和名:石膏(せっこう)、透石膏(とうせっこう)
組成:CaSO
4・2H2O
結晶系:単斜晶系
硬度:2.0
比重:2.32
屈折率:1.52
産地:Willow Creek, Nanton Alberta, カナダ


サイズ:15×12×26 (mm)

 透明な石膏の結晶です。右の写真のように双晶が見て取れます。石膏は海や塩湖が干上がる際に生成する物で、水中のカルシウムを主成分としています。石膏はとても様々な形態・色があり、この石のように透明な結晶は透石膏(セレナイト)と呼ばれます。他にも緑や黄色など様々な色や、砂漠のバラ、桜石、菊花石など他の鉱物や石と共存することで様々な形を見せます。
 石膏は硬度が2.0と非常にやわらかく、簡単に変形してしまいます。身近なところでは学校の美術室にある白い石膏像やギブスなどに使われています。


洋名:ヘマタイト(hematite)
和名:赤鉄鉱(赤鉄鉱)
組成:γ-Fe2O3
結晶系:六方晶系
硬度:5.5 〜 6.5
比重:5.26
屈折率:2.94 〜 3.22
性質:赤色条痕
産地:不明



 ヘマタイトは鉄の重要鉱物で、酸化鉄の結晶体です。その結晶は赤色をしており、鉄の原料としての利用のみならず、古来から顔料として用いられてきました(粘土のお話「村を彩る粘土」参照)。ヘマタイトとはギリシア語の「血(haima)」に因んでいます。
 上の写真のようによく研磨すると黒っぽい金属光沢を見ることが出来ます。結晶の写真(赤い鉱物)は後日アップします。


洋名:ヒューランダイト(heulandite)
和名:輝沸石(きふっせき)
組成:CaAl2Si7O18・6H2O
結晶系:単斜晶系
硬度:3.5 〜 4.0
比重:2.18 〜 2.20
屈折率:1.48
産地
:Wagholi, Maharashtra, インド



 カンバサイトの母岩についていたヒューランダイトです。ピンク〜淡いグリーンの板状結晶をしています。Caが多いのは灰輝沸石、Naが多いのはソーダ輝沸石、Kが多いのはカリ輝沸石、Mgが多いのは苦土輝沸石と呼ばれます。010面のへき開が顕著で、結晶の多くは板状をしています。


洋名:ホーランダイト イン クォーツ(Hollandite in Quartz)
和名:星入り水晶(ほしいりすいしょう)、ホランド鉱入り水晶
組成:SiO
2(ホランド鉱を含む)
結晶系:六方晶系
硬度:7.0
比重:2.65
産地:マダガスカル


サイズ:40×25×17 (mm)

 石英(クォーツ)の中でも透明な物を水晶と呼ぶ。地殻の約70%はシリカ(二酸化ケイ素)であり、その結晶である水晶は世界中で取れ、また他の元素を取り込むなどして様々な姿をしている物が知られている。
 星入り水晶はマダガスカルでよく採れ、幸運を呼ぶお守りとされている。左の写真のような「星」はホランド鉱(BaMn8O16)が水晶の中に閉じ込められた物です。このように結晶の中に他の物質が閉じ込められることを「インクルージョン」といいます。
 アメリカではスパイダー・クオーツ(クモ水晶)と呼ばれています。このかわいらしい姿が愛されている水晶です。


洋名:ホーランダイト(hollandite)
和名:ホランド鉱
組成:Ba2Mn8O16
結晶系:正方晶系、単斜晶系
硬度:6
産地:マダガスカル


サイズ:40×25×17 (mm)

 水晶の中に入ったホランド鉱です。水晶の中の黒い物がホランド鉱で、星入り水晶と呼ばれています。残念ながらホランド鉱自体は持っていません。
 ホランド鉱はクリプトメレン鉱のグループに属するマンガン鉱物です。塊状で産出することが多いのですが光沢は無く割れ易い鉱物です。モロッコのタウズ村からは鍾乳状の結晶になった面白い形の標本が出ています。


洋名:インペリアル・トパーズ(imperial topaz)
宝石名:プレシャス・トパーズ(precious topaz)
和名:黄玉(おうぎょく)
組成:Al2SiO4(OH,F)2
結晶系:斜方晶系
硬度:8
比重:3.4 〜 3.6
屈折率:1.61 〜 1.63
産地:ミナスジェライス, ブラジル


サイズ:17×6×4 (mm)〔4.19 ct〕


サイズ:24×8×6 (mm)〔8.70 ct〕

 11月の誕生日にもなっているトパーズです。トパーズの名前の由来は種々あるようで、紅海のトパゾン(ギリシア語)と呼ばれていた島の名前であるとか、“火”を意味するサンスクリット語の“トパス”が語源だなどと言われています。 トパーズは様々な色をしており、透明・黄・赤・紫・白など産地によって様々な色をしています。トパーズの色は光や熱で変化してしまうことから、トパーズの色は結晶構造の歪から来ていると考えられています。実際加熱することやX線を照射することで人工的に着色したトパーズが多く売られています。
 トパーズのうちトパーズのうち、ブラジルのミナスジェライス州で採られたものは「インぺリアル・トパーズ」と呼ばれ高値で取引されています。インペリアル・トパーズは鮮やかな黄色をしおり、クラックが少ない透明な結晶が採れることが少ないため重宝されています。上で述べたようにトパーズは光によって変色しますが、インペリアル・トパーズは長い時間光をあてても色が変わらないことが知られています。トパーズには水酸基(OH)とフッ素(F)が含まれていますが、普通のトパーズの場合フッ素の方が水酸基よりも多いですが、インペリアルトパーズでは水酸基の方が多くなっています。この差異が結晶構造の違いを生み、変色を抑えていると考えられます。
 上の写真のものは、クラックも少なく非常に透明感が高い宝石質のインペリアル・トパーズです。写真で色をうまく出すことが難しいのですが、美しい淡い黄色をしています。



宝石名:インカローズ(inca-rose)
洋名:ロードクロサイト(rhodchrosite)[南米産]
和名:菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)
組成:MnCO3
結晶系:六方晶系
硬度:3.5 〜 4.0
比重:3.5 〜 3.7
屈折率:1.82
産地:アルゼンチン


サイズ:14×10×10(mm)13ct

 ロードクロサイトの宝石、インカローズです。南米で算出される写真のように赤い縞模様のロードクロサイトをインカローズと呼びます。この石はタマゴ型にカットしており、表面の赤とピンクの縞模様が綺麗に見て取れます。
 インカローズは木の根を芯にしてその回りにマンガン炭酸塩が析出して成長していくもので、この縞模様はその「年輪」と呼ぶことが出来ます。長い年月と環境の変化でこのような美しい模様が作られます。


洋名:カイヤナイト(kyanite
和名:藍晶石(らんしょうせき)
組成:Al
2SiO5
結晶系:三斜晶系
硬度:5 〜 7(結晶面によって異なる)
比重:3.55 〜 3.66
屈折率:1.72
産地:Barra do Salinas, Minas Gerais, ブラジル


サイズ:30×25×15 (mm)〔母岩を含む〕

 藍晶石の名前はそのままで、藍色で結晶になりやすい性質からきています。透明な物は宝石として使われますが、多くは写真のように柱状の結晶でえら得ることが多く、鑑賞用の鉱物として人気が高い物です。
 藍晶石は方向によって硬さが変わることで有名です写真でも分かるように、結晶の縦方向(長軸方向)に多くの筋が入っており、この筋と平行の方向にはナイフでキズがつきますが、柱と直角の方向だとキズはつきません。二つの硬さを持っていることから、
二硬石(にこうせき)とも呼ばれています
 写真の半透明の白い物は水晶です。



洋名:ラブラドライト(labradorite
和名:曹灰長石(そうかいちょうせき)
組成:NaAlSi3O8-CaAl2Si2O8
結晶系:三斜晶系
硬度:6.0
比重:2.71
屈折率:1.56
特徴:ラブラドレッセンス
産地:カナダ


サイズ:13.8×6.2(mm)9.43ct

 斜長石系列の鉱物であるラブラドライト。カナダのラブラドル半島で発見されたことからこの名前がつきました。曹長石(NaAlSi3O8)と灰長石(CaAl2Si2O8)がおよそ半々で混在している曹灰長石の一種です。
 ラブラドライトは、その光の屈折から虹色に輝くことで知られています。上の写真でも濃いモスグリーンの中に青色の光を見ることが出来ます。この光を「ラブラドレッセンス」といい、結晶内部での交互に並んだ曹長石と灰長石の層の屈折率の違いによる干渉現象と、磁鉄鉱による光の効果によっておこる現象だと考えられています


洋名:ラピス・ラズリ(lapis lazuli)
和名:瑠璃(るり)
組成:(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2(パイライトなどの不純物を多く含む)
結晶系:等軸晶系(青金石のデータ)
硬度:5.0 〜 5.5(青金石のデータ)
比重:2.40 〜 2.45(青金石のデータ)
屈折率:1.50(青金石のデータ)
産地:バダフシャン、アフガニスタン


サイズ:91×37×26 (mm)

 12月の誕生石であるラピスラズリです。ラピスラズリは鉱物ではなく、ラズライト(青金石)という鉱物にパイライト(黄鉄鉱)などの鉱物が混じった石の名前です。写真の石にも金色のパイライトと白い微小なカルサイト(方解石)を見ることができます。この他にソーダライト(方ソーダ石)、アウイン(藍方石)、アフガナイト(アフガン石)などを含みます。上の鉱物学的データは純粋なラズライトのものです。
 ラピスラズリのラピス(Lapis)はラテン語で「石」、ラズリ(Lazuli)は「青」や「空」を意味するペルシャ語の”lazward”が語源でまさに青い石という名前です。産地はこの石も採られたアフガニスタンのバダフシャン地方、シベリア、チリ、アメリカのコロラド州など非常に限られていて、6000年以上昔から採取されていたアフガニスタンのものに比べ、他の産地はここ200年ほどに見つかっています。量、質ともにアフガン産が一番といわれています。
 日本では瑠璃と呼ばれ、古来から群青として顔料に使われてきました。西洋では同じものをウルトラマリン(海の向こうから来た青)と呼びます。アフガンのラピスラズリは西アジア・北部アフリカの古代文明期にはすでに交易で扱われ、洋の東西を問わず装飾品や顔料として重宝されていました。シルクロードを通って中国・日本にも運ばれ、仏教の七宝(金・銀・瑠璃・玻璃・しゃこ・珊瑚・瑪瑙)の一つとされました。真言宗の開祖、空海は瑠璃を守護石としていたそうです。このほか、正倉院の宝物庫には、紺玉帯と呼ばれるラピスラズリで飾られた黒漆塗の牛革製ベルトが収められています。


洋名:ラズライト、ラズーライト、ラジュライト(lazulite)
和名:天藍石(てんらんせき)
組成:(Mg,Fe)Al2(PO4)2(OH)2
結晶系:単斜晶系
硬度:5.0 〜 5.5
比重:3.0 〜 3.1
屈折率:1.64
産地:Rapid Creek, Yukon, カナダ


サイズ:17×12×10 (mm)

 天藍石はその名の通り藍色をした鉱物です。青い石を意味するドイツ語、lazurstein( ラズールスタイン)を語源としています。よく、ラピスラズリと混同されますが、こちらは何の関係もありません(ラピスの一成分でも有りません)。天藍石は「Lazulite」、ラピスラズリの結晶は「Lazurite」。カタカナで書くと同じ「ラズライト」。日本時が苦手とする「L」と「R」の発音の違いです。
 写真のようにカナダのユーコン産の物は黒味が強いことが知られています。また、複雑な双晶を作るため結晶の形がはっきりとしません。ところどころに透明感のある天藍石と透明な水晶を見て取ることが出来ます。

写真で一度見かけ、その深い色に引かれて、是非欲しいと思っていた石です。


洋名:レピドライト(lepidolite)
和名:鱗雲母(りんうんも)、リチア雲母(りちあうんも)
組成:K(Li,Al)3(AlSi3O10)(OH,F)2
結晶系:単斜晶系
硬度:2.4 〜 4.0
比重:2.8 〜 2.9
屈折率:1.55 〜 1.59
産地:Parelhas, Rio Grande do Norte, ブラジル


サイズ:21.5×24.4×2.8 (mm)

 
雲母(うんも)は珪酸塩鉱物一種で、シートが積み重なった層状構造をしています。その構造から雲母とタルクは粘土鉱物の仲間として扱われることが多くあります。その層状構造から結晶は薄い板状に剥がれ易い性質を持っており、雲母の単結晶はその結晶面の平滑性から様々な実験・材料などに基板として用いられています。
 英語名のマイカ(mica)はラテン語micare(輝くの意)に因んでおり、雲母の結晶はその剥がれ易いシートの面がきらきらと輝いています。
 レピドライトはリチウムを多く含む雲母の一種で、その多くが魚の鱗が集まったような形状で産出することから鱗雲母と名前がつきました。レピドライトは硬度が低いのであまり宝石として用いられることはありませんが、工芸品としては重宝されてきました。
 端に着いている青い鉱物はパライバトルマリンです。右の写真のように透明感のあるレピドライトは珍しいようです。



和名:青鉛鉱(せいえんこう)
洋名:リナライト(linarite)
組成:
PbCu(SO4)(OH)2
結晶系:単斜晶系
硬度:2.50
比重:5.35
産地:Blanchard鉱山, Bingham, New Mexico, アメリカ


サイズ:24×16×13 (mm)

 目が覚めるような美しいブルーが特徴の青鉛鉱。鉛の鉱物の中でも産出が少ない希産鉱物として知られています。鉛鉱床の酸化帯から産出します。皮膜状のものと結晶では色調が異なり、結晶はより深みのある青色を呈します。
 同じような化学組成の鉱物として、スコットランドの鉛鉱山Leadhillsなどからchenite(Pb
4Cu(SO4)2(OH)6)という鉱物が見つかっています。外観は青鉛鉱に似ていますが三斜晶系に属し、結晶形態が異なります。


洋名:ミレライト(millerite)
和名:針ニッケル鉱(しんにっけるこう)
組成:NiS
結晶系:六方晶系
硬度:3.0 〜 3.5
比重:5.3 〜 5.7
産地:Thompson, Manitoba, カナダ


サイズ:13×18×12 (mm)

 針ニッケル鉱は、その名の通りニッケルと硫黄からなる鉱物で、ヤマアラシやハリネズミの背中の毛のような針状の結晶となる。左の写真が針を上から見た角度、右の写真が針の束を横から見た角度です。右の写真のように、金色の強い金属光沢を有しています。ミレライトという英名は、これを研究したイギリスの鉱物学者、W・H・ミラーにちなんでいるそうです。
 針の部分を触ると刺さります。痛かったです(経験済み)。



和名:黒耀石(こくようせき)
洋名:オブシディアン(obsidian)
組成:火山性ガラス(主成分はSiO
2
結晶系:非結晶(アモルファス)
硬度:―
比重:―
屈折率:―
産地:湧別川, 白滝村, 北海道


サイズ:68×52×46 (mm)

 黒耀石は火山のマグマが急速に冷えることによって固化したガラス質の火山岩(ガラス質火成岩)です。色は上の石のような黒いものが一般的ですが、赤い縞があるものや茶色、緑、紫、透明なものもあります。北海道の白滝村の赤石山(標高:1147 m)に東洋一といわれる大きな露頭があり、その下を流れる湧別川では多くの転石を見ることができます。
 黒耀石は2万5千年前の旧石器時代に石器の材料として使われていました。ガラス質であるため、砕くと鋭い断面を得ることができるからです。白滝村付近には湧別川を中心に多くの石器製作の遺跡が発見されており、白滝遺跡群として国指定史跡に認定されています。白滝村で作られた石器はサハリン、シベリア、青森などでも発見されており、当時の物流システムの存在を示唆しています。

 この石は「iStone 鉱物と隕石と地球深部の石の博物館」様のプレゼント企画でいただきました。ありがとうございました。


洋名:オパール(opal)
和名:蛋白石(たんぱくせき)
宝石名:ボルダー・オパール
組成:SiO2・nH2O
結晶系:斜方晶系
硬度:5.0 〜 6.0
比重:2.0 〜 2.25
屈折率:1.44
産地:クイーンズランド州, オーストラリア


サイズ:30×29×14(mm)

 オパールは二酸化ケイ素(シリカ;SiO
2)と水からなる鉱物で、様々な形をしています。低温で生成する物ですので、鉱物の中では珍しく結晶を持たない非晶質(アモルファス)なものです。言ってみれば同じアモルファスシリカである乾燥剤のシリカゲルやガラスなどに近いところがあります。オパールはそのシリカの小さな粒子を水が結んだような構造をしています。
 オパールは主にオーストラリアで採れる海底に珪酸が沈殿して出来る透明度の低いものと、メキシコで採れる火山の溶岩の中で出来る透明度の高いものがあります。上の写真の物はオーストラリア産のボルダー・オパールの原石です。


サイズ:29×23×7(mm)

 上の写真はボルダー・オパールを磨いた物です。濃い青や白、赤など様々な色を見せるとても綺麗な石です。ボルダーとは岩を意味し、鉄鉱石の塊の隙間に美しい遊色のオパールがつくられることからこの名前がつきました。
 また、オパールには見る角度によって色が変わる「遊色」という現象が見られます。これはオパール中のシリカの粒子が、光の波長(我々が見ることが出来る可視光)である400〜800nmと近い場合に、光の散乱・回折などの干渉が起こり色の変化が見られます。


洋名:オレンジカルサイト(orange calcite)
和名:オレンジ方解石(おれんじほうかいせき)
組成:CaCO
3(鉄を含む)
結晶系:三方晶系
硬度:3.0
比重:2.71
屈折率:1.66
産地:メキシコ



サイズ:30×24×15 (mm)

 メキシコ産のオレンジカルサイトです。カルサイトは通常無色透明ですが、様々な不純物を取り込むことで白、オレンジ、緑、青、ピンクなど様々な色を呈します。この写真のような鮮やかなオレンジ色は鉄の混入による物です。


宝石名:パライバ・トルマリン(paraiba-turmaline)
洋名:エルバイト(elbaite)[銅含有]
和名:リチア電気石(りちあでんきいし)
組成:Na(Li,Al)
3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4 [微量の銅を含む]
結晶系:六方晶系
硬度:7.0 〜 7.5
比重:3.06
屈折率:1.62 〜 1.64
性質:集電性、圧電性
産地:パライバ州, ブラジル



サイズ:5.1×3.2×2.1(mm)0.22ct


サイズ:2.4(mm)0.06ct

 リチア電気石(トルマリン)の中でもブラジル、パライバ州産の物は銅の混入によりネオンブルーに輝き、宝石として重宝されています。上の石については鑑別書がついています。
 大きな鉱山があるらしいのですが、採掘権の問題で訴訟が行われているそうです。そのせいもあって大きな物は高値で取引されています。


洋名:ペンタゴナイト(pentagonite)
和名:ペンタゴン石
組成:Ca(VO)Si
4O10・4H2O
結晶系:斜方晶系
産地
:Wagholi, Maharashtra, インド


サイズ:33×19×17 (mm)〔母岩を含む〕

青色の板状結晶です。放射状に成長した結晶の美しさに引かれて購入しました。このブルーの色は組成式にもあるバナジウムのため。同じ組成で結晶構造が違うカバンサイトよりもクリアーなブルーをしています。名前の由来は5連晶を形成し、その形が星型(五角形;ペンタゴン)をしているからです。残念ながら私のペンタゴナイトには双晶は有りますが5連晶は有りません。


洋名:プレナイト(prehnite)
和名:葡萄石(ぶどういし)
組成:Ca
2Al(AlSi3O10)(OH2)
結晶系:斜方晶系
硬度:6.0 〜 6.5
比重:2.80 〜 2.95
屈折率:1.63
産地:インド


サイズ:27×21×8 (mm)

 写真では分かりづらいですが、ぶどうの粒のような丸い形でマスカットグリーンのものが多く産出したことからブドウ石と名付けられました。


洋名:パイライト(pyrite)
和名:黄鉄鉱(おうてっこう)
組成:FeS2
結晶系:等軸晶系
硬度:6.0 〜 6.5
比重:5.02
産地:Navajun, La Rioja, スペイン


サイズ:10×10×8 (mm)

 
黄鉄鉱はほとんどの金属鉱山で見つかるポピュラーな鉱物です。我々の身近なところで金色に光る石を見つけたら、まずパイライトだと思って間違いないと思います。皆さんも子供の頃に、山や川原でパイライトのついた石を金だと思い込んで拾った思い出はありませんか?
 パイライトは硫化鉄(FeS
2)の結晶で、上の写真のような立方体から、5角12面体、正八面体、針状結晶の集合体など様々な形をしています。
 パイライトという名前は、ギリシャ語で「火の石」という意味です。早くから火打ち石として使用されたことに由来します。


洋名:ピロータイト(pyrrhotite)
和名:磁硫鉄鉱(じりゅうてっこう)
組成:Fe1-xS
結晶系:単斜晶系
硬度:4.0
比重:4.58 〜 4.65
性質:磁性
産地:Nikolaevskiy, Dal'negorsk, Primorskiy, ロシア



 銅色をした六角板状の結晶です(写真左)。また、板状結晶らしい筋を見ることも出来ます(写真右)。磁性を帯びており、磁石にくっつきます。表面は錆びて光沢のない褐色になりやすく、私の石もさびています。


洋名:クォーツ(quartz)
和名:水晶(すいしょう)
組成:SiO
2
結晶系:六方晶系
硬度:7.0
比重:2.65
屈折率:1.54
産地:ムソー鉱山, コロンビア


サイズ:116×59×37 (mm)

 石英(クォーツ)の中でも透明な物は水晶と呼ばれます。地殻の約70%はシリカ(二酸化ケイ素)であり、その結晶である水晶は世界中で取れ、また他の元素を取り込むなどして様々な姿をしている物が知られています。この石英が多くの不純物を含むことで様々な姿や色を見せます。鉄を含んだアメシスト(紫水晶)やホランド鉱を含んだ星入り水晶など水晶の形を残したままの物から、メノウやオパールも石英の仲間です。 また水晶には、その形や結晶の成長過程によって様々な姿形があり、ファントム水晶、ファーデン水晶、レーザー水晶など様々な名前がついています。
 このように様々な姿を見せる水晶にはファンが多く、水晶を専門的に集めている人も多くいます。
 上の写真の水晶は大きな水晶から小さな水晶が生えてきているように見えますが、このように2つ以上の結晶が共存している場合を双晶といいます。



宝石名:レインボーガーネット(rainbow garnet)
洋名:アンドラライト(andradite)+グロシュラーライト(grossular)〔混合物〕
和名:灰鉄柘榴石(灰鉄柘榴石)+灰礬柘榴石(かいばんざくろいし)
組成:Ca3Fe2Si3O12(アンドラライト)、Ca3Al2Si3O12(グロシュラー)
結晶系:等軸晶系
硬度:7.0(アンドラライト)、6.5(グロシュラー)
比重:3.86(アンドラライト)、3.59(グロシュラー)
屈折率:1.89(アンドラライト)、1.73(グロシュラー)
産地:奈良県天川村行者還岳


サイズ:〜10 mm程度

 日本で採れる美しいとして多くの鉱物コレクターから注目を集めいます。2004年に奈良県天川村の川迫鉱山で発見され、次いで同行者還岳で見つかりました。虹のように青・黄・緑など様々な色を見せることからレインボーガーネットと呼ばれています。写真ではうまく表現することができていませんが、とても美しい石です。
 国産以外ではメキシコ産のものが有名ですが、産出量がもともと極めて少なく幻のガーネットと呼ばれることもあるようです。レインボーガーネットは単一の成分ではなく、アンドラダイトとグロッシュラーが混在したガーネット(
グランダイト)であることがわかっています。日本の物はアンドラダイトの成分が多いようです。結晶内部には同心状の組織が層状に存在しており、アンドラダイトとグロッシュラーライトが層が相互に積み重なっています。その積み重ねの繰り返しの周期幅が光の波長よりも短く、周期幅が一定の間隔の場合、光の干渉現象が発生し色の変化が見られます。
 このような美しい石が採れることから天川村には多くのコレクターが詰め掛けたようです。その一方で乱獲や自然破壊・ゴミの投棄など、マナーやモラルが問題になっています。



洋名:ロードクロサイト(rhodchrosite)
和名:菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)
宝石名:インカローズ
組成:MnCO3
結晶系:六方晶系
硬度:3.5 〜 4.0
比重:3.5 〜 3.7
屈折率:1.82
産地:Uchucchacua, Lima, ペルー


サイズ:54×32×40 (mm)〔母岩を含む〕

 マンガンの炭酸塩であるロードクロサイトはマンガンの主要な鉱物の一つです。美しいピンク色をしています。ロードクロサイトの「ロード」はギリシア語でバラという意味。バラのように美しい鉱物です。ちなみに「クロ」は色という意味です。「バラ色の石」、素敵な名前ですね。南米で多く産出することから、インカローズの宝石名で装飾品として愛好されています。
 熱水鉱脈で、銅や鉛などの鉱物と一緒にできるのが一般的ですが、推積した二酸化マンガン層が変成して形成されるケースがあります。六方晶系の菱面体に結晶しますが、多くは塊状または葡萄状で柱状の構造をしています。


洋名:ローズクォーツ(rose quartz)
和名:紅水晶(べにすいしょう)
組成:SiO
2(チタンを含む)
結晶系:六方晶系
硬度:7.0(水晶の値)
比重:2.65(水晶の値)
屈折率:1.54(水晶の値)
産地:昇仙峡, 山梨県, 日本(とのことですが、ブラジル産だと思います)


サイズ:25×19×8 (mm) 

 石英(クォーツ)の中でも透明な物は水晶と呼ばれます。水晶は世界中で取れ、また他の元素を取り込むなどして様々な姿をしている物が知られています。この石英が多くの不純物を含むことで様々な姿や色を見せます。鉄を含んだアメシスト(紫水晶)エピドートを含んだ緑水晶など水晶の形を残したままの物から、メノウオパールも石英の仲間です。
 この石はチタンの混入でピンク色になった紅水晶、紅石英と呼ばれる石で、英名はローズクォーツと言います。チタンが入ることで結晶構造が変化し、緑色の光を吸収することによって赤色が強調されるために、このようなピンク色になります。水晶の結晶の形をしているものはまれで、ほとんどのものは塊状で産出します。
 これは2005年度理工展(早稲田大学理工学部)に立ち寄った際に、環境資源工学科有志による鉱物を使ったアクセサリー作りの企画で作らせていただいたペンダントです。この際には同科所有の鉱物標本を見ることもでき、貴重な体験ができました。


洋名:ルベライト(rubellite)
宝石名:オレンジ・トルマリン(orange tourmaline)
和名:紅電気石(べにでんきいし)、リチア電気石〔マンガンを含む〕
組成:Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4〔マンガンを含む〕
結晶系:六方晶系
硬度:7.0 〜 7.5
比重:3.06
屈折率:1.62 〜 1.64
性質:集電性、圧電性
産地:ミナスジェライス, ブラジル


サイズ:14×12×9 (mm)〔10.0 ct〕

 ルベライトはマンガンの混入により赤色を呈したリチア電気石(エルバイト)です。日本名では紅電気石とも呼ばれています。マンガンの量によって淡いピンクから濃い赤まで様々な色をしています。圧電性によるルベライトの静電気の強さは、トルマリンの中で最大級です。名称は赤い色あいがルビーに似ていることから名づけられました。
 写真の石は、ブラジル、ミナスジェライス州産のオレンジ・トルマリンです。とても珍しいオレンジ色のトルマリンです。カットはミレニアムカットとチェッカーカットを組み合わせたもので、見る角度によって光の透過率が変化するため様々な色を見せます。インクルージョンが少ない透明感のある石です。


洋名:サンドローズ(sand rose)
和名:砂漠のバラ(さばくのばら)
組成:CaSO
4・2H2O
結晶系:単斜晶系
硬度:2.0
比重:2.32
屈折率:1.52
産地:メキシコ


サイズ:18×17×18 (mm)

 まさにバラのように幾重にも重なった花びらが見えます。この石正体は石膏。砂漠のオアシスが干上がる際に、水に溶けていた硫酸カルシウム(CaSO4)が析出して、結晶が生成します。その際、水中という特殊な条件下で結晶が成長するため、このようなバラの花に似た形が作られます。元来石膏は透明な結晶ですが、表面に砂漠の砂などが付着することでこのようなグレーになっています。
 砂漠のバラはこの石膏(硫酸カルシウム)のほかに重晶石(硫酸バリウム)の物も存在します。


洋名:スペサルティン、スペサルチン(spessartine)
和名:満ばん柘榴石(まんばんざくろいし)
組成:Mn3Al2Si3O12
結晶系:等軸晶系
硬度:7.0
比重:4.19
屈折率:1.80
産地:Yunxiao, Fujian, 中国


サイズ:39×18×17 (mm)

 煙水晶の上に生成したスペサルティンです。和名の「満ばん柘榴石」からわかるように、ガーネットの1種です。南ドイツにあるスペッサルト山脈で、初めて独立の鉱物として確認されたことからスペサルティンと名づけられました。

 スペサルティンはマンガンとアルミニウムを主成分とするガーネットです。純度の高いスペサルティンは明るいオレンジ色で、鉄の混入が増えるにしたがって、赤色から褐色へと変色します。スペサルチンは変成岩の中に生成し、特にマンガンを含む岩石が変成した場合に多く産出します。
 主な産地は、ブラジル、イタリア、マダガスカル、ミャンマー、パキスタン、スリランカ、アメリカのカリフォルニア州とバージニア州などで、日本では変成マンガン鉱床の愛知県石塚峠、三重県大山田鉱山などで、質のよい結晶が産出しました。



洋名:スピネル(spinel)
和名:尖晶石(せんしょうせき)
宝石名:レッド・スピネル(red spinel)
組成:MgAl2O4(鉄を含む)
結晶系:等軸晶系
硬度:8.0
比重:3.5 〜 4.1
屈折率:1.72
産地:Mogok (Mandalay N-150km), ミャンマー


サイズ:60×43×17 (mm)〔母岩を含む〕

 スピネルは、アルミナと酸化マグネシウムから成る酸化鉱物です。純粋な結晶は無色透明ですが、鉄、クロム、亜鉛など不純物の影響で、赤、青、黒など、様々な色に変化します。スピネルの結晶は先端が尖った正8面体型をしていることが多く、ラテン語の Spina (トゲの意)に由来し名づけられたといわれています。結晶の先が尖って(とがって)いることから和名は尖晶石と名づけられました。
 上の写真は鉄を含むことで赤色に発色したレッドスピネルです。白い大理石の母岩とスピネルの赤の対比がとても美しいものです。産地はレッドスピネルの代表的な産地であるミャンマーです。右の写真は左のものの裏側に見えるスピネルです。
 レッドスピネルはその美しい赤色からルビーと混同されることが多く、独自の鉱物であることが確認されたのは18世紀後半です。黒太子のルビー(イギリスの大礼用王冠の中心にはめ込まれている石)も、実はスピネルだった、という有名な話があります。結晶の形がはっきりした原石であれば、六方晶のルビーと等軸晶のスピネルを間違えることはないのでしょうが。大きなものが採れない、産出量が少ないといったことからルビーに比べマイナーで価格も安いですが、その美しさでは負けていません。


洋名:スティーブナイト(stibnite)
和名:輝安鉱(きあんこう)
組成:Sb2S3
結晶系:斜方晶系
硬度:2.0
比重:4.52 〜 4.62
産地:冷水紅, 湖南省, 中国


サイズ:62×25×19 (mm)

 アンチモン(Sb)の硫化物という、あまりなじみのない元素からなっている輝安鉱ですが、日本でもかつて良質の標本が採れたこと、美しい金属光沢を有した針状の結晶が得られることなどの理由から、コレクターの中で人気の高い石のひとつになっています。
 現在の輝安鉱の産地は中国とルーマニアが代表的です。中国のものはこの写真のように刀剣状の形状をしたものが多いですが、ルーマニア産のものは花びらのような形のものが多いようです。
 また、輝安鉱は時間とともに金属光沢が失われ黒ずんでいきます。日本産のものは明治以前に採掘されたものが多く美しい金属光沢を保持したものは少ないそうです。


洋名:サルファー(sulfer)
和名:硫黄(硫黄)
組成:S
結晶系:斜方晶系
硬度:2.5
比重:2.05 〜 2.09
屈折率:2.04
産地:マダガスカル


サイズ:60×33×29(mm)〔セレスタイトを含むサイズ〕

 小さすぎるため形が見えにくいですが、黄色なのが硫黄の結晶です。草津などの硫黄泉の温泉に行くと岩や石が黄色に染まっていることがありますが、それは硫黄が原因です。自然硫黄は、かつて、資源として採掘されており、日本からは輸出もされていました。現在では石油の生成時に副産物として生じたものが使われています。
 写真はシチリア島のセレスタイト(天青石)の隙間に生成した硫黄です。セレスタイトは硫黄を成分に持つ硫化ストロンチウムで、それらが長い年月をかけて成分が変化し、硫黄が析出・結晶成長したと考えられています。


和名:黄安華(おうあんか)、黄アンチモン華(おうあんちもんか)
洋名:スティビコナイト(stibiconite)
組成:Sb3+Sb
25+O6(OH)
結晶系:等軸晶系
硬度:5
比重:5.6
産地:San Jose mine, San Luis Potosi, メキシコ


サイズ:53×38×21 (mm)

 黄安華は、輝安鉱が酸化することで生成する二次鉱物です。この標本は輝安鉱の結晶が変成したもので、結晶の形は輝安鉱の姿を残した仮晶となっています。名前は、アンチモン(Stibium)とギリシア語の塵、粉末(konis)に由来します。
 酸化の過程で、輝安鉱(Sb2S3)から硫黄(S)が抜ける脱硫反応を伴うのが面白いですね。


洋名:スティルバイト(stilbite)
和名:束沸石(たばふっせき)
組成:NaCa2Al5Si13O36・14H2O
結晶系:単斜晶系
硬度:3.5 〜 4.0
比重:2.10〜 2.20
屈折率:1.50
産地
:Wagholi, Maharashtra, インド

注)青い結晶はカバンサイト


 沸石の一種です。写真の標本のように束状の結晶の集合体が良く見られます。透明ないし半透明で、ガラス光沢または真珠光沢をもち、色は白から赤まで様々なものがあります。
 写真の標本はカバンサイトの母岩に共存していたスティルバイト。インドのカンバサイト、ペンタゴナイトはこのようにスティルバイトやヒューランダイトを母岩として産出することが多いようです。


宝石名:ツァボライト(tsavorite)
洋名:グロッシュラーライト(grossularite)
和名:灰ばん柘榴石(かいばんざくろいし)
組成:Ca3Al2Si3O12 [バナジウム、鉄含有]
結晶系:等軸晶系
硬度:6.5〜7.0
比重:3.59
屈折率:1.73
産地:タンザニア


サイズ:8.6×6.0×4.6(mm)1.76ct

 灰ばん柘榴石(グロッシュラーライト)はカルシウム(灰)とアルミニウム(ばん)を主成分とするガーネット(柘榴石)の一種です。緑色の結晶がグースベリー(西洋スグリ)の実にによく似ていることに因んでいます。グロッシュラーライトという名は、緑色の結晶がグースベリー(西洋スグリ)の実にによく似ていることに因んでいます。
 ツァボライトは、アフリカの最高峰キリマンジャロの東方に広がるケニアのツァボ動物公園で発見されたことに因んで名づけられました。灰ばん柘榴石の中でもバナジウムと鉄を含むため緑色をしています。ティファニー商会が売り出そうとしましたが、サイズが小さいこと、産出量が少ないことから断念したそうです。この逸話からもこの石の美しさを図り知ることができます。


洋名:ウレックサイト(ulexite)
和名:曹灰硼石(そうかいほうせき)
俗称:テレビ石
組成:NaCaB5O6(OH)6・5H2O
結晶系:三斜晶系
硬度:1.0 〜 2.5
比重:1.95
屈折率:1.50
性質:グラスファイバー効果
産地:Boron, Kern Co., アメリカ


サイズ:44×22×9 (mm)

 ウレックサイトはその俗称「テレビ石」の名のとおり、石の向こう側の文字や絵を表面に浮かび上がらせることが出来る(右の写真参照)。これはグラスファイバー効果と呼ばれる現象で、繊維状の結晶が平行に配列することでまさにグラスファイバーと同じような効果が得られます。右の写真を見ると、縦に向きがそろった筋を見ることが出来きます。ウレックサイトという鉱物名は鉱物の分析をしたドイツ科学者G. L. Ulexの名にちなんでいて、アメリカの塩湖で多く産出します。


洋名:バナジナイト(vanadinite)
和名:褐鉛鉱(かつえんこう)、バナジン鉛鉱(ばなじんえんこう)
組成:Pb5(VO4)3Cl
結晶系:六方晶系
硬度:3.0
比重:6.9
屈折率:2.25 〜 2.42
産地:Mibladen, Atlas Mts., モロッコ


サイズ:42×37×21 (mm)〔母岩を含む〕

 褐色の光沢のある六角柱状、六角板状の結晶です。モロッコのミブラデンが主要な産地として有名で、この石もそのミブラデンで採れたものです。地殻中に0.02%ほどしか存在しないバナジウムを含んだ、バナジウムの主要鉱物です。他にカルノー石などが知られています。



洋名:ベルデライト(verdelite)
宝石名:グリーン・トルマリン(green tourmaline), ブラジリアン・エメラルド(brazilian emerald)
和名:リチア電気石〔鉄を含む〕
組成:Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
結晶系:六方晶系
硬度:7.0 〜 7.5
比重:3.06
屈折率:1.62 〜 1.64
性質:集電性、圧電性
産地:ミナスジェライス, ブラジル


サイズ:10×6×6 (mm)〔3.7 ct〕

 ベルデライトは緑色を呈しているリチア電気石です。グリーン・トルマリンとも呼ばれています。緑色の発色原因は鉄です。ブラジルでは、緑色が美しいものはブラジリアン・エメラルドの名前で珍重されています。
 この石は非常に透明度のある美しい三方晶系の柱状結晶です。トルマリン特有の条線も柱面に縦にきれいに入っています。色は美しいブルーグリーンをしています。
 右の写真を見ていただくとよくわかるのですが、この石、中心は緑色ですが内部はほぼ透明で、途中で色が変化したことがわかります。



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