
このコンテンツでは、皆さんから頂いた粘土に関する質問・疑問にお答えしていきます。また、ゲストブックにて私以外の方から頂いた回答・解説もあわせて紹介しています。
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No. 1〜No. 10 No. 11〜No. 20 No. 21〜No. 30 No. 31〜No. 40 No. 41〜50
| No. 20 質問者 ナミ様 2005年6月3日 |
カオリナイトについて 私は研究でカオリナイトの物性を調べているのですが、粘土層間に有機分子を入れたりするとどのように物性が変化するか教えて欲しいです。今後リン化合物なんか使ってみようと思っています。 |
| 回答 | 物性といっても色々ありますのでどのようなことを知りたいのか分かりませんが、幾つか例を挙げさせてもらいます。 先ずカオリナイトの層間、というか粒子表面に有機基を固定化することによって粒子表面の環境が疎水的になり有機溶媒への分散性が向上します。同様に層間内に固定化した場合は層間の環境が疎水的になり、層同士の相互作用が低下するためインターカレーション能が向上します。 また、カオリナイト層間に尿素をインターカレートすることで粉砕によるデラミネートが可能になるといった研究が古くからありますし、層間に導入された分子によってはカオリナイトの熱的安定性が変化します。 基本的にはカオリナイト自体は安定な無機物質ですから、層間に導入された有機種などの性質の影響が強いということでしょうか。 ちなみに、カオリナイトのインターカレーション能は様々な層状物質の中でもかなり低い物ですのでゲスト分子は限られています。リン化合物なども構造・中間体を考慮しないとインターカレートさせることが難しいと思います。(フェニルホスホン酸などの既報があります。ただし賛否両論。) |
| No. 19 質問者 モルダー様 2005年6月1日 |
鋳型砂の手揉み効果について 鋳型砂の試験の際、混練器で混練後、目標とするコンパクタビリティにするため、手で揉みに揉み解してますが、この手揉み時間の長短はどのような影響をもたらしますか? |
| 回答 | 私も専門ではないので細かいことまでは分かりませんが、手でこねることには2つの理由があります。 一つは全体を均一にするために丁寧に混ぜること。もう一つは砂の粒子の間の空気を極力抜くために手で圧力をかけて空気を追い出していきます。 例えば陶芸で粘土を使う際には、始めに粗練、菊練といった方法で粘土を良くこねて空気を丁寧に抜いてやります。 こねる時間の影響とのことですが、基本的には丁寧にこねれば、少しずつ空気が抜けていくと思います(コンパクタビリティの向上)。ただし、時間というよりも錬り方に影響されるのではないでしょうか?粘土でも錬り方が悪いと全然空気は抜けませんから。 |
| 再質問 | 質問が説明不足でした。混練段階で加水が少ないと、コンパクタビリティ(以下CB)が目標より低くなってしまい、再び加水・混練すると規定の混練時間をオーバーしてしまいますので、若干多めに加水して目標より高いCBにした上で乾燥させて目標のCBにするために手で揉んでます。鋳型砂の抗圧力は混練時間とともに増加します。手揉み時間が長いと混練と同じ効果(おっしゃるように砂粒子の角が丸くなって粒子間の空気が抜けていきます)を与えてしまうのではないかと思うのです。 |
| 回答 | 確かに余分な水分が増えるとCBが増えますのでその水分を飛ばさなければいけないですが、その際に錬り続けるとCB、抗圧力とともに通気度(密度)も変化しますから判断が難しいですね。この3つの変化は見た目や手の感覚じゃ区別するのが難しいですしね。 |
| モルダー様から のコメント |
そ、そうですね。混練器で混練中でも見た感じ、棒で引っかいた感じ、止めてみて手の感触でおおよその察しはつきますが、あまりギャンブルもできませんし。かといって試験条件が毎回大きく変わるのは好ましくないですし。影響を与える因子は湿度、気温、ベントナイトの嵩比重と考えています(砂が一定ならば)。加水量は経験的に決めてますが定式化できないのかな、とも思っています。 |
| No. 18 質問者 韓国の研究者様 2005年5月31日 |
私は韓国で粘土を研究する人です。日本語が分からなくて変な部分が多くても理解してください。 日本で現在衛生陶器用で使う粘土に対して詳らかに分かろうと mailを送ります。化学成分と物理的性質, 価格などが分かりたいです。sericite, kaolinite, clay 種類たちの基本的な dataが必要です。お願い致します。. 少しでもご存じなことがあったら私に大きい助けになるでしょう。もう一度ぎこちない日本語にお詫び致します。 |
| 回答 | sericite(セリサイト) 化学組成:(K0.62 Na0.36 Ca0.01)(Al1.75 Fe(III)0,16 Fe(II)0.06 Mg0.04 Mn0.02)(Si3.07 Al0.93) O10(OH)2 単斜晶 特徴: 絹雲母(セリサイト)は熱水変質により形成された粘土鉱物であり、水や樹脂中に絹糸状光沢を呈しています。化学組成は酸化物で表示するとSiO2が最も多く、次いでAl2O3、K2O、Fe2O3となります。結晶構造はSi4+が4個のO24-に囲まれてSiO4の四面体を形成し、構成原子は電子をやり取りすることにより、イオンとなっています。この四面体が平面的につながっているシートが層状ケイ酸塩であり、これを四面体シートといいます。四面体シートの項点を向かい合わせに組み合ってAl−Oなどの八面体シートがはさまれています。このような構造を2:1型構造といい、絹雲母(セリサイト)は2:1型構造が積み重り大きく板状結晶に成長しています。四面体中のSi4+は一般にAl3+ときにはFe3+と置換され、シートの電荷が負に帯電するため層間陽イオンとしてK+イオンが配位しています。この為、陽イオン交換能を有します。 層状ケイ酸塩の学位構造層が次々に積み重なって3次元構造を形成していく単位構造は同じであっても重なり方が異なる場合が起こります。その結果、結晶構造全体では、形、大きさ、そして、その中に含まれる単位構造層の数を異にする多くの構造が形成されます。この構造をポリタイプといい、ポリタイプの記号は単斜(monoclinic)M、三方(trigonal)T、六方(hexagonal)H、を用い(1M,2M,3T, 6H)と表します。絹雲母(セリサイト)は多くのポリタイプをもっており、一般に認められているポリタイプは1Mと2Mです。絹雲母(セリサイト)の場合、上の2:1層の傾きの方向が、下の2:1層に対し60°、120°あるいはこれらの整数倍だけ回転可能であり、最も簡単な1Mの場合には、2:1層の傾きは同じ方向をとって繰り返され、2M1では傾きの方向が120°の左回転と右回転を交互にとって形成されます。2M2では、傾きの方向60°の左回転と右回転をとっています。 kaolinite(カオリナイト) 化学組成:Al2Si2O5(OH)4 単斜晶 特徴:SiO4四面体シートとAlO6八面体シートが交互に積層した1:1型層状アルミノケイ酸塩である。2:1型の層状アルミノケイ酸塩などの他の無機層状物質と異なり層間の環境に異方性を有するため、ゲストが層と垂直方向に配向した層間化合物の設計が考えられる。1:1型の代表的粘土鉱物であるカオリナイトは、結晶内に同型置換がないため層間に交換可能なカチオンがなく、イオン交換能を有していない。陶磁器のもっとも重要な材料であり、熱を加えると500℃付近で層構造の崩壊を伴う脱水反応が進行しメタカオリンとなる。さらに加熱を続けると950℃付近でクリストバライトへ転移します。 価格については用途、純度などで異なりますので、お答えできません。具体的な物理的性質などについては再度具体的に御質問いただければお答えできると思います。 |
| No. 17 質問者 アロフェン様 2005年5月28日 |
非晶質アロフェンには有害物質を吸着する特性を持っていますが、アロフェンが結晶になるとその特性が失われてしまうのはなぜですか?
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| 回答 | アロフェンはイモゴライトとともに低結晶性粘土鉱物として知られているナノボール構造の物質です。球の開口部が非常に小さく、プロトンのみしか内部には吸着することができませんが、球表面に多くのアルミノール基(Al-OH基)を有していることから、高比表面積の吸着材料として注目されています。 一方、結晶化アロフェンですが、こちらはアロフェンをビルディング・ブロックとして用いた材料開発の例だと考えられます(例えばアロフェンを用いたゼオライトの合成などがあります)。これらの研究では、アロフェンを加熱することによってアロフェンの結晶化とその集合体のより大きなスケール(例えばメソポーラスなど)での構造の結晶化が進みます。その際にアロフェン表面のアルミノールの縮合や比表面積の減少などを伴うため、もともとアロフェンが持つ吸着能が低下します。 結晶化アロフェンにも様々なものがありますが、基本的にはアロフェンの持つアルミノール基やナノボール(ナノ粒子)の構造が失われる事により吸着能が変化します。 |
| 再質問 | 実は今、研究のテーマが「マイクロ波の選択加熱を利用した焼物の作製」です。活性炭にマイクロ波を照射すると2〜3分で1000℃近くの高温になります。陶芸用の粘土に活性炭を一緒に混ぜて練りこみ、その粘土でアロフェンを包み(お団子みたいな感じにする)、マイクロ波で選択加熱された活性炭の赤熱で粘土を焼き上げ、なかに存在するアロフェンの汚染物質浄化作用の特性は保持できるかどうか考察中です(まだ実験はしていません)。焼きあがる時間は短縮できると思いますが、短縮できたとしても普通に考えて活性炭の赤熱がアロフェンにも影響をあたえるのでアロフェンは非晶質から結晶に変化してしますのではないかと懸念しています。 |
| 回答 | なるほど。素焼きのボールの中にアロフェンが詰まったようなものになるのですね。 確かに300℃以上になるとアロフェンの構造の変化が進むので粘土が焼締まりアロフェンの構造が壊れないようにするのは難しいかも知れないですね。アロフェンも大変小さなナノ粒子ですから、粘土がちゃんと焼締まり、ある程度アロフェンが縮合しないと素焼きの細孔からの流出も心配されますね。 |
| No. 16 質問者 土の子様 2005年5月20日 |
比粘度は、「蒸留水との粘度の比」ということですが、粘度の測定法は特に決まってないのでしょうか? |
| 回答 | 私も粘度計で測ったことしかないので詳しくは分かりませんが、装置によって多少システムや原理が違うかもしれませんが、精度は違っても問題はないと思います。
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| No. 15 質問者 Yama 様 2005年5月6日 |
モンモリロナイトには,Na型・Ca型などの種類があるようですが,その定義と,判別方法(X線回折分析による方法が可能であればその方法)を教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。 |
| 回答 | モンモリロナイトのNa型、Ca型などは層間の陽イオンが何であるかということを示しています。モンモリロナイトの層は負に帯電しているため、そのカウンターカチオンとしてNa+やCa2+などのイオンが層間に存在します。 それぞれのイオン半径の違いにより若干の底面間隔の違いはありますので(層間水による変化について考察する必要がある)、XRD分析による判別が可能ですが、層間のイオンが完全に置換しているとは限りませんので、ICP発光分析などによる組成分析が必要になると思います。 |
| No. 14 質問者 YUITI 様 2005年4月30日 |
洗剤のいらない電気洗濯機に、ベントナイト(スメクタイト)の粉末を入れて、洗浄力を高めたいと、思うのですが、どんな所で購入できますでしょうか。 またどのようなものを買えばよいのでしょうか。あまり高価でなくて、品質の良いものを入手する方法を、教えて下さい。 |
| 回答 | >
洗剤のいらない電気洗濯機に、ベントナイト(スメクタイト)の粉末を入れて、洗浄力を高めたいと、思うのですが、どんな所で購入できますでしょうか。 日本国内の粘土メーカー一般向けに、工業製品ではない生の粘土は販売していないようです。そのような国産の粘土は日本粘土学会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/cssj2/reference_clay.html)を通して購入できますが値段は研究用なので高くなります(その分品質も良いですが)。化粧品用の輸入品であればこちら(http://herbglobe.co.jp/new/AromaCareclay.html)で購入ができるようです。 > またどのようなものを買えばよいのでしょうか。、あまり高価でなくて、品質の良いものを入手する方法を、教えて下さい。 品質については企業がデータを提示しているわけではないので判断は出来ません。用途などから推測していただきたいと思います。また、どのような物が洗濯に適しているかは、私が実際に使用したことがありませんのでわかりかねます。 |
| No. 13 質問者 clayman 様 2005年4月16日 |
酸性白土はなぜ白いのでしょうか? |
| 回答 | 粘土は、その種類によって異なりますが、Na-モンモリロナイトやカオリナイトなどはシリカとアルミナからなる層でできています。 これらの粘土は元来白色ですが、鉄などの不純物を含むことで色が付きます。粘土を酸処理によって酸性白土にする際に、酸化鉄など色がある成分が溶解して、白色のシリカ、アルミナ分のみが残るため、酸性白土は白色をしています。 |
| clayman 様からの 再質問 |
天然の酸性白土はなぜ白いのでしょうか? |
| 回答 | 風化作用の過程で、酸性条件下にさらされることによって着色した不純物が溶解します。そのため、元来の白色を示していると考えられます。 ただ、天然鉱物は産地や産状によって均一ではありませんから、もともと不純物を含まない(または白色成分のみの)環境で生成した酸性白土や、逆に灰色の酸性白土が取れる場合もあると考えられます。 |
| No. 12 質問者 hoyo-matsuida 様 2005年4月15日 |
ハイドロタルサイトについてお尋ねしたいのですが、ハイドロタルサイトは陰イオンを吸着する性質があるとのことですが、硝酸イオンのイオン交換選択性を上げるにはどうすればよいでしょうか?
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| 回答 | ハイドロタルサイトやその類似構造の層状複水酸化物(LDH)などは層が正に帯電しており、その電荷補償として硝酸イオン、塩化物イオンなどの陰イオンを有しております。これらLDHを他の陰イオンを含む溶液に加えることで、濃度勾配により元の陰イオンと溶液中の陰イオンがイオン交換反応により置換します。
質問の答えにはなっておりませんが、「イオン交換選択性」とは、どのような状況を指しての事でしょうか? 複数の陰イオンが混在する環境下で硝酸イオンを選択的に吸着するといったことでしょうか? |
| hoyo-matsuida 様からの再質問 | そうです。電荷の大きい順、同じ電荷ならイオンの大きさの小さい順に吸着するようです。そのため、硝酸イオンはイオン交換選択性が最も低いほうのようです。他のアニオン、特に炭酸イオンがあると硝酸イオンは吸着されなくなってしまいます。 |
| 回答 | ある程度サイズや官能基の違いのある有基分子であれば選択的吸着や分子認識といったことは可能です。また、そのような研究が多くの層状物質や多孔体でなされています。
しかし、無機アニオンのイオン交換は濃度・電荷に支配されるものですので、炭酸イオンや塩化物イオンなどが共存する場合は硝酸イオンを選択的に交換することは不可能だと思います。 原則ハイドロタルサイトに硝酸イオンのみを選択的に吸着させることは、硝酸イオンを高濃度にする以外不可能だと思います。 |
| No. 11 質問者 clayman 様 2005年4月15日 |
シリカプログラムでオーリティックスが0(ゼロ)になることはありますか? |
| 回答 | オーリチックは粘土中の多孔体成分を指し、一般には長石分を伴って測定されるので天然の粘土で0になることはあまりないと思います。純度の高いジョージアカオリンなどでは0になるとは思います。 |
No. 1〜No. 10 No. 11〜No. 20 No. 21〜No. 30 No. 31〜No. 40 No. 41〜50
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