粘土 Q&A

 このコンテンツでは、皆さんから頂いた粘土に関する質問・疑問にお答えしていきます。また、ゲストブックにて私以外の方から頂いた回答・解説もあわせて紹介しています。
 質問・疑問をお持ちの方はゲストブックメールにて遠慮なくどんどんお願いします。また、質問・回答の非公開を望まれる方はその旨を明記してください。

No. 1〜No. 10 No. 11〜No. 20 No. 21〜No. 30 No. 31〜No. 40 No. 41〜50

No. 48
質問者
かわらや 様
2006年1月23日
 私は乾燥地土壌の研究をしている学生です.ネットで調べものをしていてこちらのページを見つけました。
 現在研究に使用している土壌に2:1型の粘土が多いことや(超)塩類土壌(EC約60dS/m)であることから、ショーレンベルガー法を用いたCECからのESPの算出が大変困難で、LiCなのにCEC5,ESP200・・・などということになっています。
 この2年間,乾燥地土壌の評価法でいつもこのESPにつまづきを感じます。もしアドバイスなどがありましたらよろしくお願いします。
回答  2:1粘土を多く含む土壌でCECが5meq/100gというのは確かに以上に少ないですね。私は土壌についてはあまり詳しくないので、粘土鉱物のCEC測定に関することを述べさせていただきます。
 粘土鉱物のCEC測定は、粘土の種類、形状、乾燥状態、溶液との接触時間、溶液の濃度やpH、陽イオンの種類など、様々なパラメーターによって影響を受けます。このため、粘土の種類・状態によって測定条件を変える必要があります。以下の文献が参考になると思います。

原田靖生, 土壌の陽イオン・陰イオン交換容量, 日本土壌肥料学雑誌55(3), 273-283(1984).

 測定はアルコール洗浄法で行われているのでしょうか?アルコール洗浄法は、変異荷電粘土では、アルコール洗浄による表面荷電量変化が生じ不向きなので、平衡法で測定するほうが良いかもしれません。
かわらや様から
のコメント
 研究室に土肥誌の古いものが残っていると思いますので、参照しようと思います。
 様々な試みを今試し中ですが、アルコール洗浄法の点についてはまだ考察が及んでいませんでした。今後の参考としたいと思います。
 丁寧な、またお早い回答をありがとうございました。

No. 47
質問者
三浦 様
2006年1月14日
 今回三年越しの願いが叶い、古琵琶湖層の粘土を入手することができました 用途は石窯制作です。
  一号窯は煉瓦と亀岡の貯水池の泥を使いましたが (籾殻や藁などをブレンドして)ひび割れがひどく修復してもまた割れてきます。本窯には耐火煉瓦を古琵琶湖層の粘土で固める計画ですが、何かご助言いただければとお便りさせていただきました。
 焼き物の窯よりも低温です(200〜300) ピザやパンなどを焼くための窯なので大きくもありません。
回答  粘土や泥は大量の水分を含んでいますので、乾燥することによって体積が大きく減少します。
泥に籾殻や藁などを混ぜられたとのことですが、これらも乾燥・燃焼によって大きく体積が減少します。
ひび割れの原因は、この泥の体積減少にあると思いますので、乾燥しても体積の変わらない砂などを混ぜて調整してみてはいかがでしょうか?

No. 46
質問者
匿名 様
2006年1月13日
kaoliniteのタイプについて
 kaoliniteには幾つかのタイプ(kaolinite-1A, kaolinite-1Mdなど)があると聞きました。
いろいろと調べてみたのですがその違いが分かりません。
それぞれの違いを教えていただきたく、今回メールを送りました。
回答  kaoliniteの後につく「1A」や「1Md」といった記号は、ポリタイプ(多形)を示しています。
ポリタイプとは、層状物質において一層一層の構造は同じなのですが、その積み重なり方が異なることをいいます。現在、粘土鉱物においてポリタイプは同じ鉱物とみなすのが一般的ですが、カオリナイトにおいてのみ、その歴史的背景からカオリナイト、ナクライト、ディッカイトの3者のポリタイプが別名の粘土として存在しています。
 ちなみに、「kaolinite-1A」がカオリナイト、「kaolinite-1M」がナクライト、「kaolinite-2M」がディッカイト、「kaolniite-1Md」が積層に乱れのあるカオリナイトを示しています。
再質問  カオリナイトには幾つかの種類があり、それを区別する ためにも命名法が変わることは分かったのですが、1A,1Md,2Md・・・などの命名がどの ようにつけられたのか?(‘何かの略語?‘だとは思われるのですが・・・)ということが 分かりません
回答  ポリタイプの記号は、単位胞に含まれる単位構造の数と単位胞の結晶系を示す記号を用い ています。 Aは三斜(Asym/Triclinic)、Mは単斜(monoclinic)、Orは斜方(orthorhombic)、Tは正方 (tetragnal)、Hは六方(hexagonal)、Rは菱面体(rhombohedral)、Cは立方(cubic)晶 系を示しています。 また、記号の前の数字は、単位胞中に含む単位構造層の枚数をさしています。同じ晶系に 属し、同じ枚数を持つ異なる単位胞の形を取るポリタイプが存在するときには添え字をつ けて2M1、2M2と区別しています。

No. 45
質問者
マツヤマ 様
2006年1月11日
粘土の耐火度をあげるには
 薪窯でそこいらにある山土を使って焼きしめをやっています。
 山土の場合鉄分が多く、また耐火度の弱いものが多いです、その上焼き幅が小さく金属解けするものが多いのですが、この粘土を使って焼き幅を広く調整するには何を混入すればよいでしょうか。
 ケイ石や童せん坊などを使うと土味がかわってしまうのですが、滑石を使うとよいということを聞きましたがどうなのでしょうか。教えてください。
回答  陶芸用の粘土中には粘土分(粘土鉱物分)が40%、長石分が20%、珪砂分が40%程度入っています。
 陶芸用に用いられる粘土には、主にカオリンが用いられます。純度の高いカオリンは鉄分が少ないために、焼き上がりが白くなります。耐熱温度が高いのも特徴的です。粘土分は可塑性など焼き上げる前の成形性に大きな影響を与えます。
 粘土だけを焼いてもなかなか焼き固まりません。そこで低い温度で粘土を焼き固めるためにカリ長石、ソーダ長石などの長石を融剤として用います。粘土は1000〜1500℃という高温でも融けることはありませんが、長石は比較的低い温度(700℃程度)で融解し粘度の高いガラスになります。このガラス質が粘土の粒子をつなぎ止め、焼き固まらせる働きをします。
 粘土は水を多く含むため(粘土の粒子の隙間だけでなく、粒子の中にも多くの水を含む)、それだけを乾燥・焼成すると大きく縮んでしまい、ひびや亀裂が入ってしまいます。そこで粘土の吸水量を程々にし、乾燥・焼成後の収縮を抑えるために珪砂を加えます。珪鎖の主成分はSiO2(シリカ)で、ガラスと同じようなもの考えていただければよいかと思います。
 このように、粘土鉱物、珪砂分が程よいバランスで入っていることが必要となります。耐火度が低いということは、このうち粘土鉱物分が少なく、ガラス状になる成分が多すぎるのではないでしょうか?滑石は粘土鉱物と同じような性質をしていますので、加えることで成果が上がるのではないでしょうか。
陶土屋さん様からのコメント  滑石を使うことで効果があるかも、とありましたが、私の経験上おそらく効果はないと思います。滑石(タルク)にはMgがありますので、NaやKなどのアルカリ金属と共存する場合、比較的強い融剤として働くことが多いようです。
 山土の焼成温度を上げるには、珪石や童仙傍を使う方がよいのですが、土味が変わるということなので、信楽などで生産されている粘土で土味が似ているものと混ぜるという方法もいいと思います。

 
今回の山土の件に関して言えば、カオリンのほとんどは焼き上がりが白いためどうしても土味が変わると思います。信楽土などではなくカオリン系統であれば、枝下(しだれ)か悦洞(えつぼら)などの木節粘土がいいかも知れませんが、想像するにおそらくこれらの粘土でも焼き上がりの色を薄くはしてしまうでしょう。山土単味の焼き上がりを再現するのであれば、同じような焼き上がりの色の耐火度の高い信楽土などを混ぜる方が無難だと思います。
 
以前、木更津の土をこちらに送っていただいて、それを混ぜて粘土を作ったことがあります。町おこしみたいなものの一環としての陶芸用です。そのときもそうでしたが、やはり山土みたいなものを入れるほど、火に対して弱くなりがちです。こういう場合うちは木節粘土や蛙目粘土、カオリンの調合比率を増やし、色が薄くなるのを補うために黄土や酸化鉄などを加えます。こうすることで焼成温度を高くすることができます。但し、必然的に珪石の比率が少なくなりますので、釉の貫入を嫌う場合は釉薬の調節が必要になります。焼き上がりの色の濃い粘土に対して珪石を増やすことはあまりお薦めできません。度を過ぎるとクリストバライトが多量に生成し冷却時に割れてしまいます、とくに施釉したものは。

やっぱり専門家&経験者の言葉は信頼感が違います。ありがとうございました。by管理人

No. 44
質問者
西 様
2006年1月6日
 現在、陶芸(焼しめ)を志しています。
 作業場(窯)を志摩半島〜南島町に考えて材料の粘土を探しています。ある陶芸家の話では伊勢から南の方面は陶芸に適した粘土はないとの話もあり、どのようにして探せばよいのやら皆目検討が着きません。
手がかりとなる書籍、文献、など参考になるような資料があればご紹介ください。
回答  陶芸用の良質な粘土が取れる場所では、やはり昔から陶芸が盛んですので、そのような地域には多く産出します。三重県ですと伊賀焼きが有名でしょうか?良質の粘土が取れない地域で陶芸をされている方は、信楽などから粘土を取り寄せているそうです。信楽土など有名な産地の粘土は、その成分が分析され工業的に作られています。
 一方、私がお世話になった東京の方は、東京で取れた粘土を使って作品を作られています。これは、山や田畑から取ってきた土を用いています。一般に、陶芸用の粘土は、どの産地でも粘土40%、ケイ砂(珪石)40%、長石20%といった組成でできており、この値に近ければ陶器を焼くことが可能です。東京の方は、東京で取れた土に、信楽などの土を混ぜることでこの組成に近づけ、作品を作られています。天然でそのまま使える粘土が取れるのが一番でしょうが、このような粘土の改良を試されてもいかがでしょうか?
 三重県の粘土については、
「三重県科学技術振興センター工業研究部窯業研究室」http://www.mie-iri.tsu.mie.jp/cri/mie_cri.html
に問い合わされれば、有益な情報が得られると思います。

No. 43
質問者
Le Thuy 様
2005年12月13日
 あるサイトにロウ石(滑石)は白色、柔らかくつめでも簡単に傷をつけると説明がありました。
 滑石(タルク、TALK)は陶石である可能性も高いですか?
回答  砕いてそのまま陶器に使える陶石は、粘土(カオリン)、珪砂、長石を一定の割合で含んでいる必要があります。タルクは、釉薬などには使われますが、焼き物自身には向きません。また、カオリンもタルクも純度が高い粘土だけでは、焼き固めることができません。

No. 42
質問者
Le Thuy 様
2005年12月13日
焼けた粘土
 陶芸の生徒です。
 何種類か陶器を焼成して、焼けた種類ありましたがなぜでしょうか?焼かない方法をお教えください。
回答  陶土には粘土、珪砂、長石と言ったものが主成分として含まれます。これを焼くことによってそれぞれの成分が溶けて、冷やすことによって固まり、ガラス質の陶器になります。
 よって焼かずに陶器を作ることは不可能です。

No. 41
質問者
Le Thuy 様
2005年12月12日
陶石について
 陶器生産に陶石は使ってないベトナムの人の僕は陶石と他の原石との区別は出来ないです。いろいろ山とか行って見た石の中に陶石があったかもしれないです。見分け方法が分かれば教えて頂きたいです。
回答  陶石は石英、カオリナイト、セリサイトなどの微結晶からなっていますので、柔らかい(硬度が低い)、脆いといった特徴があります。ナイフで簡単に傷がついたり、ハンマーで容易に砕ける(粉々になる)物であれば、陶石である可能性が高いといえます。
 また、純度の高い陶石は白色〜淡色をしていますので、色からもある程度推測はできると思います。

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